キャップ付バリュー平均法とは? バリュー平均法の問題点と対策
バリュー平均法は、MITで博士号を取得し、元NASDAQチーフエコノミストで現モルガン・スタンレーのマイケル・エデルソン博士が1988年8月に”Value Averaging: A New Approach to Accumulation” という論文で発表された、積み立て手法です。
毎月一定額を積み立てるドル・コスト平均法よりもパフォーマンスを上回る可能性が高い投資法として海外では一般的なようです。
I-O ウェルス・アドバイザーズの岡本和久氏の著書により、日本では注目を集めるようになりました。
バリュー平均法とは
目標とする資産額になるように価格の変動に合わせて投資額を変更しつつ運用します。
投資対象の価格が安いときにはドル・コスト平均法より多く購入し、目標金額を超えたときには売却もおこなうことにより、ドル・コスト平均法よりも効率的な運用が可能になるとのこと。
バリュー平均法は積立投資を行っている過程で価格変動リスクを投資額の調整で償却していきます。その結果、目標としている金額を達成する事ができます。
毎期の資産評価額の目標をバリューパス(経路)と呼んでいます。
更に詳しくは「ひと手間くわえた積立投資で資産形成」のヒロさんの「バリュー平均法」一覧のページをご覧ください。
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バリュー平均法の課題
- ケース1
投資対象の価格が長期に渡って上昇
↓
投資額は毎回減少、さらには売却の可能性も
↓
目標とする資産の時下は達成できても、目標とする資金金額の投資をいつ完了できるか不明
- ケース2
投資対象の価格が長期に渡って下落
↓
毎回の投資額が増加を続ける
↓
マーケットが底をつける前に資金が尽きてしまう可能性あり
キャップ付バリュー平均法
上記ケース2の場合、毎回の投資資金がどんどん膨らんでいき生活費を圧迫する恐れがあります。
その対策として、投資額に一定の上限を設ける方法、すなわち「キャップ付のバリュー平均法」と呼ばれる手法があります。
毎回の積立投資額に、バリュー経路の増加額+20%というような上限値を設けるのです。もし、三か月に一回、9万円ずつバリュー経路を増やしていくのであれば、価格が低下して投資額が増加しても、9万円の例えば二割上の10万8000円以上は投資をしないという方法です。
キャップ付バリュー平均法の検証
検証ルール
- キャップ付バリュー平均法を始めるにあたってリザーブ口座に一回分の9万円を入れておく
- キャップはバリュー経路の毎回の増加額プラス20%
- 価格が上昇して投資金額が9万円よりも減少した場合も投資額との差額をリザーブ口座に入れる
- さらに価格が上昇して売却が発生した場合も売却金額と9万円の新規資金を合わせてリザーブ口座に入れる
- リザーブ口座は将来、価格が下落して積立資金が増加したときのための予備資金とする
- リザーブ資金がなくなってさらにバリュー経路増加額以上の積立を要求されたときにキャップが発動
- 売買に伴うコストは考慮しない
投資対象は円換算した全世界の株式市場で、日本市場が最高値をつけた1989年末から2014年末までを対象
※第4回 バリュー平均法の問題点と対策 【岡本和久の新時代の積立投資術「バリュー平均法」入門】 – 特集1/マネックス証券 – ネット証券より |
キャップ付バリュー平均法の検証結果
- リザーブ口座が不足することはなかった
- 結果としてはバリュー経路の909万円を達成するために必要とした累積投資額はマイナス49万円
- リザーブ口座には約700万円の資金が残った
しかしながら、
- リザーブ口座の残高はキャップなしのケースよりも少ない
という結果になりました。
キャップがあるならフロアーも
マーケットが長期にわたって上昇する場合、いつまでたっても投資が完了しない問題を解決するために投資額が減少していってもそれ以上は減らさないというフロアーを付けるということを考えてもよいでしょう。
最後に
バリュー平均法はドル・コスト平均法よりもパフォーマンスを上回る可能性が高い投資法ですが、
- 1回の投資額の算出に手間がかかる
- キャップ付バリュー平均法でも投資資金が枯渇する可能性がある
- マーケットが上昇した場合、リスク資産の売却により税金が発生する
- バリューパスの設定
といったことが考えられます。
最も難しいのは
- バリューパスの設定
でしょう。1つの正解があるわけでもなく、自身にてルールやプランを策定・実行しなければなりません。
バリュー平均法のことを完全に理解していないので、もう少し勉強します。
(参考記事)
第4回 バリュー平均法の問題点と対策 【岡本和久の新時代の積立投資術「バリュー平均法」入門】 – 特集1/マネックス証券 – ネット証券
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