投資信託の信託報酬の内訳とその影響
モーニングスター アナリストの視点
投資信託の信託報酬の内訳とその影響
- 主要資産における信託報酬の内訳
- 運用会社への信託報酬の水準がファンドの運用成績に与える影響度
- 販売会社への信託報酬の水準が純資産額に与える影響度
の観点から信託報酬の取り分がファンドの運用成績や純資産額に
影響しているかを検証しています。
運用会社への信託報酬の水準がファンドの運用成績に与える影響度についてですが、
運用会社に支払う信託報酬の中央値を基準に、信託報酬が高いファンド、
信託報酬が低いファンドのグループに分けて、2012年3月末時点の過去3年間、
5年間のリスク(標準偏差、年率)の大きさを比較した。
リスクについては、国内株式の3年、新興国債券の3年、5年を除くと、運用会社への
信託報酬が高いファンドでリスクが高い傾向にあった。
※記事より引用 |
運用会社の信託報酬が高いファンドは、相対的に高いリスクの運用を
行っているものの、リスクに見合ったリターンは獲得出来ていないようだ。
記事の考察とは関係ないですが、新興国株式の標準偏差(年率)は
5年で30%を超えており、改めてブレが大きい事がわかります。
国内株式と先進国株式の標準偏差(年率)では3年、5年両方とも
国内株式>先進国株式でした。
国内株式の方が高いと思っていたので意外な結果です。
販売会社への信託報酬の水準が純資産額に影響しているかも検証し、
※記事より引用 |
販売会社への信託報酬が低いファンドの純資産額が高い傾向にある理由は
(1)低コストのファンドに投資家の資金は集まりやすい
(2)純資産額の大きいファンドはコストを低く抑えることができる
との推測されていますが、
私の観点だと購入するファンドを選択する場合、自分が支払うトータルの
信託報酬を調べますが、販売会社への信託報酬率は調べません。
販売会社への信託報酬が低いファンドの純資産額が高い傾向というのであれば
トータルの信託報酬との因果関係もデータとしてあれば私は納得しやすいと思います。
竹川美奈子氏の
対TOPIX超過収益トップ10のうち30億円以上は3本だけ – About Money,Today より
『投資信託事情』2012年6月号によるとTOPIXに対する超過収益率でみると、
・信託報酬の水準と投資成果に有意な関係は見いだせない
・純資産の規模も成績に無関係
・多くのアクティブがTOPIXよりハイリスク(→TOPIX上昇時にはTOPIXに勝つものが
多いが、TOPIX下落時にはTOPIX以上に下落するものが圧倒的に多い。
一部TOPIX上昇時にTOPIXよりも上昇し、TOPIX下落時にはTOPIXより下落が
小さいという投信もありますが…)
といった特徴が導き出されています。
当たり前ですが
高い信託報酬 ≠ 高いリターン
投資家の運用成果=リターン-コスト
です。
投資判断はご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
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