その契約ちょっと待った!生命保険料控除は節税効率で年間保険料を決める
生命保険料控除を利用した、じぶんの積立 節税メリットを紹介しました。
生命保険料控除とは、所得控除の1つです。
その年の払い込んだ生命保険料に応じて、一定の金額が契約者(保険料負担者)のその年の所得から差し引かれる制度です。所得税、住民税が抑えられます。
生命保険料控除の節税と掛金効率について紹介します。
年間払込保険料と控除される額
年間払込保険料は、その年の1月1日から12月31日までに払い込んだ保険料です。
所得税
年間保険料 | 控除される金額 |
---|---|
20,000円以下 | 払込保険料全額 |
20,000円超 40,000円以下 |
(払込保険料×0.5) +10,000円 |
40,000円超 80,000円以下 |
(払込保険料×0.25) +20,000円 |
80,000円超 | 一律40,000円 |
住民税
年間保険料 | 控除される金額 |
---|---|
12,000円以下 | 払込保険料全額 |
12,000円超 32,000円以下 |
(払込保険料×0.5) +6,000円 |
32,000円超 56,000円以下 |
(払込保険料×0.25) +14,000円 |
56,000円超 | 一律28,000円 |
年間8万円超、生命保険の保険料を支払った場合、所得税40,000円、住民税28,000円の控除を受けることが出来ます。
控除されたら結局いくらの節税になるのか?
生命保険料控除とは、所得控除の1つです。
所得控除とは、所得額から一定の金額を控除、差引くことができる制度のことです。所得控除額が大きいほど課税所得(課税対象額)が少なくなります。
1.収入金額-必要経費など=所得額※
2.所得額-所得控除=課税所得(課税対象額)
3.課税所得(課税対象額)×税率=税額
※会社勤めの方の場合、源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」
つまり所得控除による節税額は「所得控除×税率」の金額となります。
所得税・住民税の税率は何%なのか?
所得税の税率
所得額に応じます。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円超330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円超695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円超900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円超1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円超4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
年収1,000万円を超えると、計算上では課税所得695万円超となります。
住民税の税率
原則10%となります。
生命保険料支払い額と所得税率ごとの節税額
税率5%(所得金額195万円以下)
月額保険料 (年間保険料) |
控除額 (所得税 +住民税) |
節税額 | 節税効率 (節税額 ÷年間保険料) |
---|---|---|---|
1,000円 (12,000円) |
24,000 | 1,800 | 15.0% |
2,000円 (24,000円) |
40,000 | 2,900 | 12.1% |
3,000円 (36,000円) |
51,000 | 3,700 | 10.3% |
4,000円 (48,000円) |
58,000 | 4,200 | 8.8% |
5,000円 (60,000円) |
63,000 | 4,550 | 7.6% |
6,000円 (72,000円) |
66,000 | 4,700 | 6.5% |
7,000円 (84,000円) |
68,000 | 4,800 | 5.7% |
7,000円 (120,000円) |
68,000 | 4,800 | 4.0% |
税率10%(所得金額195万円超330万円以下)
月額保険料 (年間保険料) |
控除額 (所得税+ 住民税) |
節税額 | 節税効率 (節税額÷ 年間保険料) |
---|---|---|---|
1,000円 (12,000円) |
24,000 | 2,400 | 20.0% |
2,000円 (24,000円) |
40,000 | 4,000 | 16.7% |
3,000円 (36,000円) |
51,000 | 5,100 | 14.2% |
4,000円 (48,000円) |
58,000 | 5,800 | 12.1% |
5,000円 (60,000円) |
63,000 | 6,300 | 10.5% |
6,000円 (72,000円) |
66,000 | 6,600 | 9.2% |
7,000円 (84,000円) |
68,000 | 6,800 | 8.1% |
10,000円 (120,000円) |
68,000 | 6,800 | 5.7% |
税率20%(所得金額330万円超695万円以下)
月額保険料 (年間保険料) |
控除額 (所得税+ 住民税) |
節税額 | 節税効率 (節税額÷ 年間保険料) |
---|---|---|---|
1,000円 (12,000円) |
24,000 | 3,600 | 30.0% |
2,000円 (24,000円) |
40,000 | 6,200 | 25.8% |
3,000円 (36,000円) |
51,000 | 7,900 | 21.9% |
4,000円 (48,000円) |
58,000 | 9,000 | 18.8% |
5,000円 (60,000円) |
63,000 | 9,800 | 16.3% |
6,000円 (72,000円) |
66,000 | 10,400 | 14.4% |
7,000円 (84,000円) |
68,000 | 10,800 | 12.9% |
10,000円 (120,000円) |
68,000 | 10,800 | 9.0% |
明治安田生命のじぶんの積立シミュレーション
明治安田生命のじぶんの積立は
- 支払期間:5年
- 保険期間:10年
- 満期時:103.0%の満期保険金
となっています。
<明治安田生命のじぶんの積立について更に詳しい記事はコチラ>じぶんの積立 節税メリット・デメリットまとめ
1口5,000円、税率10%の場合
年数 | 支払い保険料 | 節税額(1~5年) ・満期保険金(10年) |
節税効率(1~5年) ・受取率(10年) |
---|---|---|---|
1年目 | 60,000円 | 6,300円 | 10.5% |
2年目 | 60,000円 | 6,300円 | 10.5% |
3年目 | 60,000円 | 6,300円 | 10.5% |
4年目 | 60,000円 | 6,300円 | 10.5% |
5年目 | 60,000円 | 6,300円 | 10.5% |
6~9年目 | - | - | - |
10年目 | - | 9,000円 | 3.0% |
合計 | 300,000円 | 40,500円 | 年1.35% (40,500円÷ 300,000円 ÷10年) |
2口10,000円、税率10%の場合
年数 | 支払い保険料 | 節税額(1~5年) ・満期保険金(10年) |
節税効率(1~5年) ・受取率(10年) |
---|---|---|---|
1年目 | 120,000円 | 6,800円 | 5.7% |
2年目 | 120,000円 | 6,800円 | 5.7% |
3年目 | 120,000円 | 6,800円 | 5.7% |
4年目 | 120,000円 | 6,800円 | 5.7% |
5年目 | 120,000円 | 6,800円 | 5.7% |
6~9年目 | - | - | - |
10年目 | - | 18,000円 | 3.0% |
合計 | 600,000円 | 52,000円 | 年0.87% (52,000円 ÷600,000円 ÷10年) |
となります。
支払保険料により、節税+満期保険金と、支払ったお金に対する効率が違います。
掛金を少なくすれば高効率ですが、節税のうまみが少なくなります。
最後に
生命保険料控除はほぼノーリスクで節税ができる制度です。
- 節税+満期保険金の絶対額
- 投下資金効率
- ほぼノーリスクで定期預金以上の効率
- 資金が長い間拘束される
- 運用のコアにはならない。あくまで一助
- 保険会社が倒産するかも
など、個人の性格やリスク許容度により、どの掛け金がもっとも満足するのか変わります。
お得だからと言って深く考えずに契約すれば、あぁしまった、となりかねません。
生命保険料控除を利用した運用は
・個人型確定拠出年金(iDeCo)およびNISAを上限枠まで利用しており、他の運用先を探している
・お金は絶対に損したくない。でも定期預金の金利以上の運用をしたい。
・保険契約後に他の保険の営業をされてもきっぱりと断れる
・保険会社が倒産しても自己責任と割り切れる
と言った方がいいのではないでしょうか。
保険は掛けるのも賭け、掛けないのも賭けです。投資と同じく自己責任でお願いします。
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