南海トラフ巨大地震が発生した場合 持ち家と賃貸はそれぞれどうなるの?

不動産・住居

駿河湾から日向灘を震源域とするマグニチュード8クラスの南海トラフ巨大地震が発生するのではないかと、切迫性が指摘されています。

気象庁|東海地震について | 巨大地震の可能性

巨大地震が発生して住居が全損した場合、契約・債務・地震保険の支払いなどがどうなるのか、調べてみました。

 

契約について

住居が全損=倒壊した場合

 

持ち家 借家
 ・契約解除不可 ・賃貸借契約は終了

債務について

持ち家 借家
・契約は解除できないので住宅ローンの支払いは残る ・賃貸借契約は解除されるので債務なし

地震保険の受取保険金について

その前に地震保険についてざっくりと

 

  • 目的は「地震等による被災者の生活の安定に寄与すること」
  • 火災保険に付帯する方式での契約(火災保険への加入が前提)
  • 補償内容は火災保険の保険金額の30%~50%(建物は5,000万円、家財は1,000万円が限度)
  • 保険料は、保険対象である建物および家財を収容する建物の構造、所在地により算出

※地震保険に関する法律および地震保険制度の概要 : 財務省より

地震保険の目的は「建物を再調達」ではなく、「被災者の生活の安定に寄与すること」なので注意が必要です。

<参考>
意外と知らない 地震保険のウソとホント

 

持ち家 借家
・建物および家財について保険金が支払われる(時価が限度) ・主に家財について保険金が支払われる(時価が限度)

(例)

  1. 新築の家を4,000万円で購入
  2. 火災保険と地震保険をセットで加入、火災保険金額4,000万円、地震保険2,000万円
  3. 南海トラフ巨大地震が発生し建物が全損

持ち家が全損しても2,000万円の保険金が受け取れるわけではありません。

大地震が発生し損害額が巨額になった場合

地震保険では、1回の地震等によって支払う保険金に限度額(総支払限度額)が設けられています。総支払限度額は、契約状況を勘案のうえ2014年4月1日からは7兆円です。

支払保険金=算出された保険金の額×総支払限度額(7兆円)÷算出された保険金の総額

となります。
日本損害保険協会 – 損害保険Q&A – すまいの保険 – 問70 地震保険より

仮に算出された保険金の総額が70兆円の場合

支払保険金=2,000万円×7兆円÷70兆円
=200万円

4,000万円で購入した家が大地震で全損し、算出された保険金の総額が70兆円の場合、200万円しか受け取れない計算です。

※同等の条件で借家の家財に地震保険:200万円の場合、受取保険金は20万円になります。

では、南海トラフ巨大地震の「算出された保険金の総額」の推計は?

生命保険業界のまとめによると、生命保険の支払額が最大で約4兆円にのぼるという推計らしいです。

南海トラフ地震、生保支払い最大4兆円 業界推計 :日本経済新聞より

生命保険業界のまとめ通りのだとすると、7兆円未満なので受取保険金は100%という計算になります。

 

生涯に支払う地震保険の保険料について

 

  1. 保障内容は地震保険2,000万円
  2. 愛知県に住居(耐火)
  3. 価額協定保険特約(契約金額を、時価額ではなく再調達価額で補償する特約。建物なら新築費、家財なら再取得価額)を付保
  4. 居住予定は40年間
  5. 1年ごと更新(計算を簡単にするため)

上記の場合、愛知県、非耐火の地震保険料は1,000万円あたり保険期間1年につき20,200円になります。
※地震保険制度の概要 : 財務省より

支払保険料=20,200円/年×2(2,000万円÷1,000万円)×40年間
=1,616,000円

という計算になります。

 

最後に

アキバ系投信自作派

アキバ系投信自作派のタカちゃんさんが常日頃おっしゃっているように地震災害リスクは地震大国日本に住んでいる限り避けては通れないでしょう。

  • 大地震が起こって住居に長期間住むことができなくなった時どうするのか?
  • 大地震が起こる前にリスクヘッジできることは?
  • 地震保険をかけて(確実な出費増)、大地震が起こらなかった(不確実な事象)場合は?

東海地方の方は南海トラフ大震災のリスクをどうマネジメントするか、慎重に対応する必要があると考えます。