あえて言おう! 資産形成においてアセットアロケーションは超重要ではないことを
アセットアロケーションとは資産配分という意味です。
リスクを低減しながら効率的な運用を行うために、複数の異なる資産に配分して運用することを指します。
このアセットアロケーションという考え方は長期投資において極めて重要な要素と言われています。
しかし、私はそう考えません。
極端な例
VTを引き合いに出します。
VTと言えば、全世界の投資可能な市場時価総額の98%以上をカバーしており、新興国から先進国まで世界中の株式市場への投資が出来る非常に魅力的なETFです。
しかし、例えば毎月の積み立て投資額を
商品名 | 毎月の積立額 |
---|---|
VT |
1万円
|
高コスト毎月分配型投信
|
30万円
|
とした場合、30年後の評価額はどちらが高いでしょうか。
バックテストを行った訳ではありませんが、「高コスト毎月分配型投信」の方が評価額は高いでしょう。
別の極端な例
下記の元本で、とても幸運なことに年10%のリターンがあった場合、
元本 | リターン (税引き前) |
---|---|
100万円 |
10万円
|
1億円 |
1,000万円
|
となります。
インデックス投資の場合、元本が100万円でも1億円でも、手間はそんなに違いませんがリターンは大きく違います。
よって
資産形成においてはアセットアロケーションよりも、投資元本をいくら積み上げるかが重要!
※十分に分散されたポートフォリオであり、買いタイミング、保有期間、売りタイミングが等しい場合、「投資のリターン」はアセットアロケーションによる影響度が高いと考えています。
確実に投資元本を増やすには
- 収入を増やす
- 支出を減らす(節約)
です。
山崎元氏も
一生を経済的に豊かにすごすために最も重要な要素は、余程の資産家の家にでも生まれない限り、通常はどこで何をして働いていて、幾ら稼いでいるかだ。
稼ぎ、に次いで大切なのは、節約と貯蓄の習慣だろう。
「お金の運用の巧拙」はどのくらい大切なのだろうか。実は、普通の家計にとっては、少なくとも「一番大切だ」という問題ではなさそうだ。
と述べています。
<参考>
最後に
アセットアロケーションを考えたり、ブログや書籍を参考にしても結局、
- 運用目的
- リスク許容度
- 運用期間
などによって個々人の最適なアセットアロケーションは異なります。
個人投資家がコントロールできるのはリスクとコストだけです。
資産運用は文字通り「運を用いる」と書くので、リターンは自分の思い通りにはなりません。
アセットアロケーションを考えるのは楽しいですが、考えた時間に比例してリターンが上昇するわけでもありません。
ある程度、低コストの市場全体に投資をするアセットアロケーションが出来上がったら、資産形成について考える時間はアセットアロケーションではなく、少しでも投資元本を増やす(収入を増やす・支出を減らす)仕組みについて考えるべきだと。
アセットアロケーションについて、あれこれ色々考えすぎてしまったので自戒を込めて。
※長期的に見れば世界全体の企業の利益はインフレ率以上に拡大をするというバイアスがかかっています。
※アルファ(市場平均を超えるリターン)を出し続けれる方は投資元本を増やすより投資国、市場、銘柄選択に時間を割いたほうが資産の増加スピードは早いでしょう。ひとつだけ確実なのは私にアルファを出し続ける才能はないということです。
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