「先進医療特約」高額の給付は2万人に1人?
保険会社が言わないホントの保険の話
「先進医療特約」高額の給付は2万人に1人?
がん保険を疑え! 保険会社が教えてくれない「あなたの損得」の著者である
後田享氏のコラムです。
「全部が全部、最先端の画期的な医療技術というわけではないのに、
先進医療にスポットを当てて保険を販売するのはいかがなものか?」
このところ、複数の
医療従事者の方から「医療保険」や「がん保険」に
付帯されている「先進医療特約」について、上記のようなご指摘を頂いています。
「先進医療特約」が付加された保険の人気が高いのは、「がん」に有効とされる
重粒子線治療や陽子線治療が、健康保険適用外であり、300万円ほどの実費が
患者さんの自己負担になることが認知されてきたからです。
しかし、ある開業医の方は
・重粒子線治療は、患者さんの希望に応じてできる治療ではない。
300万円が用意されていても無理なことがある。
転移がないことや『がん』細胞の大きさなどにもよるし、施設数から対応可能な
患者数にも限度がある。保険に入っていれば救われるとは思って欲しくない。
・保険会社のテレビCM等は、こうした医療の実態とかけ離れていて、
先進医療が、保険販売のエサみたく扱われている気がする」とおっしゃいます。
別の医療従事者の方は
・重粒子線治療の効用は認めるが、他の先進医療も含めて、本来、『実験医療』と
呼ぶべきものだ。事例が増えるまで、自分では受けたくない治療もある
保険会社が販売する商品と現場で医療に携わられている方との
認識の違いに驚かされます。
一般に「先進医療特約」の保険料は、せいぜい100円程度です。
この特約が付加されている「医療保険」や「がん保険」が加入に値するのかどうかは、
かなり怪しいです。
なぜなら
- ビジネス誌などで確認できる代理店の販売手数料率が、初年度の保険料の
40~60%にも及ぶ商品が少なくない
- 給付金の支払いも全般に不透明
であるからです。
給付金は
発売期間 | 保有契約 | 重粒子線治療 | 陽子線治療 | 給付割合 | |
メットライフアリコ | 3年間 | 100万件 | 19件 | 32件 | 2万人に1人強 |
NKSJひまわり生命 | 過去4年弱 | 83万9千件 | 合計26件 | 10万人に3人強 |
となっています。
透明性に欠ける商品であることは否めません。
極力利用しないのが、消費者の基本的な対処法でしょう。
* * *
先進医療特約の保険料は終身払いの場合でも、月々60~100円程度の
保険料負担で付けられるのが一般的です。
毎月の保険料100円を50年間払い続けても6万円です。
主契約が先進医療保険の商品が販売されたら加入の検討をするかもしれません。
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